今年も北海道庁へ行ってきました。
8/27 夕方、北海道庁保健福祉部医療政策局地域医師確保推進室を訪問しました。
今回は、看護師確保対策の全道的な状況について担当者の方からお話を聞くことができました。
看護職員の就業者数は二年に一度調査が行われており、平成20年12月末の就業実態についての説明でした。
北海道全体では、看護職員就業者(保健師、助産師、看護師、准看護師)全体として増えていますが、根室管内(以下「根室」とします)、後志、北渡島・桧山は減少しています。
以下、提供いただいた資料をグラフ化し分析してみました。
グラフのとおり、看護師の就業者は順調に伸びていますが、准看護師については、平成10年をピークに減少しています。
准看護師の減少は、医療の高度化に伴い平成14年4月から准看護師の資格取得までのカリキュラムが増えた事や戦後の看護師不足解消のために暫定的に措置された制度であり将来的には廃止といった考えがあり、先行きの不透明さと指導体制等の問題から准看護師養成施設の多くが閉鎖されたことが原因だと思います。(市立病院に併設されていた准看護師養成所もこの様な流れを受け平成14年度末で廃止しています。)
平成18年と平成20年を比較した看護職員の増減率を全道平均、根室、そして看護師が集中する都市部の代表である札幌で比べてみましたが、根室は看護師、准看護師ともに減っています。
看護師は毎年増えているが、根室では逆に減少しており、准看護師の減り方も倍以上になっています。
人口10万人当たりに換算した看護職就業者の状況ですが、北海道全体では全国平均を上回っていますが、根室は、看護師が著しく少ない状況です。
次に病床100床当たりに換算した場合の看護師数ですが、根室は病床数そのものが少ないため、全体の看護従事者でみると、大幅に従事者が少ないという状況にはないようですが、准看護師が看護師不足をカバーしている状況にあることがわかります。
次に看護師や准看護師の就業先の傾向をグラフ化してみたのですが、看護師、准看護師ともに病院の就業者が減ってきていることがわかります。
看護師の場合、診療所やクリニックなど日当直のない勤務や介護保険、在宅看護を就業先とする者が増える傾向にあるようです。
准看護師も病院が減り、その分が介護保険施設へシフトしていることがわかります。
最後に年齢別の看護職員の構成ですが、准看護師の20-24,25-29の構成率が低くなっていますし、逆に、55歳以上の構成率が高くなっていることがわかります。
市立根室病院ではH26-H28にかけて18名の看護職員の退職が予定されています。その多くは、准看護師です。全道的には看護師は増えていますので、今から計画的な確保対策を行わなければ、新病院の3病棟体制の維持、更には、夜間救急体制(看護師2名の当直体制)の維持が困難になります。
看護師確保対策の問題については、議会でも何度か質問していますが、医師確保ができても看護師がいなければ診療はなりたちませんので、市には、明確なビジョンを示してもらいたいと考えています。
道の担当者からは、3交代制と2交代制の比較検討、短時間雇用の導入、潜在看護師の職場復帰支援、夜勤専従看護師の利用等他の病院が取り組んでいる事例についても意見交換をしましたが、地域の実態や入院患者の状況によって判断が難しいことから、根室にあった取り組みを検討するようにとアドバイをいただきました。
今日の北海道新聞に医師、看護師確保の問題が掲載されていましたが、3月議会、6月議会で私も指摘しましたとおり、人員確保ができなかった場合はH21年度を超える一般会計繰出金が必要になりますので、何度も言っておりますが、市民全員で腹をくくり、後で「そんなはずではなかった」と言わないような取り組みをしていかなければならないものと考えます。
地域支援センター枠として現在4名の医師が北海道(札幌医科大学)から派遣されていますが、この派遣についても、4年間という期限があります。このことについても議会で取り上げていますが、今のところ、具体的な対応策については示されてはいません。
今回の道訪問でも、担当の方から過去の支援センター派遣の状況についてお話を聞くことができましたが、全道的な医師不足が続く状況下で例外はないと言われました。(昨年同様)
病院改革プランが9月の上旬にはオープンになるものと思いますので、それまでに、もう少し色々な角度から検討を続けていきたいと思います。
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