1.病院事業会計の地方公営企業法全部適用移行と病院経営の諸課題について
(1) 地方公営企業法全部適用移行の前提として解決すべき諸課題への対応について
全部適用移行の前提として解決すべき諸課題への対応は、市長と事業管理者の協力関係により十分な事前確認や調整が必要であると考える。
事前確認・調整事項を思われる点についてそれぞれ質問。
【質問要旨①】
職員の処遇、給与、採用等について市長の見解を伺う。
【市長答弁】
市立病院職員の処遇、給与について
・地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行しても地方公務員としての身分は変わらないが、地方公務員法の一般職員から地方公営企業法の企業職員へ変更となる。
・地方公務員法の一部が適用除外となる。
・地方公営企業法等の労働関係に関する法律の適用をはじめ、職員の身分取扱い等に関する適用法令が変更され、労働組合結成権を含む団体交渉権が認められる。
・給与については、経営状況やその他の事情を考慮して企業独自の給与を設定することが可能なるが、全部適用移行に伴う法制整備の中において、独自の給与を設定し現行の給与を引き継ぐ。
・医師の給与については、医師確保の観点からも、他の公立病院等で導入している評価制度等様々な例を参考にしながら、検討する。
事務局職員採用について
・管理者が任命権者となる。
・事務局体制については、今年度から実施した病院事務職員のプロパー化を進めながら、当面の間は本庁職場との人事交流を図ってゆく。
法制作業について
・組織、職員の身分取扱等を中心とした関係条例、規則、規定の制定及び改正など、30を超える法制作業が必要。
・病院事務局において作業を進めており、準備が整い次第議会へ示したい。
【質問要旨②】
新たな施設整備に係る投資的予算の扱いについて市長の見解を伺う。
【市長答弁】
・新病院建設に伴い建物や設備の整備財源としては、企業債や補助金などを充当した。
・このうち、企業債については、発行額が大きく、将来にわたる負担増が見込まれる。
・今後、医療情報システムや高額医療機器等の更新に係る設備投資については、数年毎に生じる。
・費用負担の抑制を図るためにも、適切なコスト管理による計画的な整備と将来需要を見通した予算執行に努めたい。
【質問要旨③】
事業管理者の経営責任に対する支援機能と医師及び医療従事者の招へい、確保対策に対する市長の役割について伺う。
【市長答弁】
事業管理者の経営責任に対する支援機能について
・市立病院は、市内唯一の総合病院として、更には、公立病院の使命として不採算部門などの政策医療を担いながら、その機能維持のための経営改善に努めなければならない。
・全部適用移行により事業管理者へ権限が付与される。
・公営企業の能率的経営を確保するため、市長が管理者を指揮監督できる項目は予算の調整や議会の議決を経るべき議案の提出権等に限定される。
・その範囲において、管理者の経営責任に対する支援は図れるものと考える。
医師及び医療従事者の招へい、保対策に対する市長の役割について
・病院の設置者として、全部適用移行後においても地域医療確保のため、先頭に立って取り組まなければならないと考えている。
・これまでと同様に、国、道をはじめ、大学や関係機関等への働きかけを行う。
【質問要旨④】
一般会計繰出金のルール化や不良債務の扱いについて市長の見解を伺う。
【市長答弁】
・市立病院は、不採算部門などの政策医療を担う公立病院として必要な医療を提供しなければならない
・経済性と公共性をしっかり両立、維持していくことを念頭におき、繰出基準のルール化について会計間をはじめ庁内での十分な協議のもと判断する。
・会計制度改正に伴い発生する不良債務の解消については、毎年度収支均衡を図るための繰出を行っている状況から、更に追加した支出は、大変厳しいものと考えている。
・全部適用移行の前提として解決すべき諸課題への対応の基本的事項については、管理者として内定した東浦院長が管理者として十分力を発揮していただけるよう、院長とも十分協議した上で、その方向性を議会へ示したい。
【自席からの一問一答】
※地方公営企業法の全部適用については、制度の運用上事業管理者の実質的な権限と責任の明確化に特に意を払う必要ありとわれていますので、今回は、その趣旨を踏まえ、様々な視点から質問を組みたてたもの。
【再質問1】
最後に市長が述べられたとおり東浦院長に十分力を発揮していただくためにも、様々な諸課題に対する判断が全部適用移行前に必要になるのではないでしょうか? にもかかわらずご答弁の内容からすると、まだ、何も決まってない状況では?全てがこれからとうとうご答弁では? 全部適用は次年度の何月からスタート考えなのか?
【答弁】 27年4月から全部適用へ移行したい。
【再質問2】
職員の身分、給与等の問題も重要です。 地方公務員法の一部適用除外、地方公営企業法等の労働関係に関する法律の適用等職員の身分に関する取扱が変更になるとうことですが、職員のコンセンサスは十分に得られているのか?
職員の給与には手おつけないが=職員給与には将来的にも手をつけないのか?
【答弁】
・昨年、今年と全職員を対象とした説明会を行っている。
・職員組合との交渉は、実務れべるでは行っているが、正式にはこれから。
【再質問3】
繰出金のルールについては、 繰出基準内といっている経費についても、交付税算入など財源補填のない項目もありますので、この機会にルールの整理をすべきですし、基準外の収支均衡を図るための繰出についてもルールを作るのか、現行の様に補填してゆくのか?市長ご自信の方針を予め示しておくべき事項と考えるが?
【答弁】
・平成20年度において、それまでの不良債務を解消するため「公立病院特例債」を発行が認められた経緯がある。
・その時点において、新たな不良債務を発生させること適切ではないとの判断から、以降、一般会計が収支均衡を図るための補填をしてきた。(非現金支出である減価償却費なども含め全額補填)
・しかしながら、平成24年度からは「新病院建設」に伴い旧病院の資産除却に要する費用などが多額となったため、非現金支出分の補填はせず、現金上の資金不足が起こらないよう収支均衡をはかっている状況にある。
※今後も、同様のルールでとういこと...
■平成26年12月定例月議会質問項目
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