平成26年6月定例月議会一般質問その2
1.市立根室病院の経営改革への取り組みについて
(2)現状の経営状況に対する認識について
【質問要旨その1】
①入院収益(一人当たり単価)の推移とその要因について、過去五年間の一人当たり入院単価は年々減少しているが、その要因について、どのように認識されているか伺う。
【市長答弁】
・平成21年度から平成25年度までの1人当たり入院単価は、平成21年度の42,077円をピークに年々減少しており、平成25年度では33,278円、額では8,799円、率にして20.9%の減少となった。
・診療行為別で検証した場合、入院単価の約四割を占める手術処置料及び注射料が減少 ・整形外科、麻酔科常勤医の不在期間中の手術患者の減や循環器内科医における手術処置数の減少が大きな要因。
【再質問】
入院収益ですが、入院患者数は、H21年度97.1人、H25年度102.8人と増えているなかで、入院単価が20%、9千円近くダウンしているわけですが、ご答弁いただいた大きな要因とされた内容だけで説明がつくのでしょうか?むしろ、入院患者の状況としては、今の実態のほうが限りなく、今後の市立病院の担うべき状況に近いのではないか?
今後、単価アップを図ることは難しいのでははいか?
【答弁】
経営に対する認識についてですが、
・医師体制の不安定さが手術処置件数の減に連動していることは、これまでの医師体制の変換や手術件数に表れておりますが、例えば、内科循環器の常勤医師の入職後に、激減していた「けい皮的冠動脈形成術」の件数が上昇傾向に戻っていることなどの事例もありますことから、今後にても患者ニーズの的確な把握を基に、地域センター病院としての役割を果たしていく必要があると考える。
・3次医療圏である釧路市への患者の流出は、独自の聞き取り調査等から、延べで2万5千人程度となっており、当地域で一定レベルの医療を完結させる必要性と潜在的な需要があると考えている。
・今後におきましても、安定した医師体制の構築と急性期医療を遂行するための退院支援など医療連携を積極的に行い、病床利用率を上げていくことも行いながら、入院単価を上げていくことが可能であると考えている。
【質問要旨その2】
②入外比率から見える病院の現状と経営面の影響について
・現状の病院の経営状況について、入院患者数と外来患者数の割合から見る指標がある。 ・市立根室病院はどの様な状況になっているのか、また経営面にどのような影響を与えているのか伺う。
【市長答弁】
・病院の一日当たりの外来患者数に対する入院患者数の割合を示す入院・外来患者数比率につきましては、一般的にその比率が低いことが収益面からは望ましいとされ、病床規模が小さい病院ほど数値が高くなる傾向にある。
・市立根室病院は、第二次医療圏の中核医療機関として、また市内唯一の総合病院として
17の診療科目で外来を行っていることから、平成24年度の入院・外来患者数比率は類似規模病院の2.7を大きく上回る5.3となっている。
・一般的には、当院が収益を確保していく上では、難しい環境にあると言える。
・現実的には、地域の特性や患者ニーズに対応した診療体制が必要なことからこの指標のみで分析することは難しいと考える。
【意見として】
あえて、入外比率の状況も確認しましたが、市立根室病院が収益を確保していく上では、難しい環境にあるとうご認識のとおり、標準医師数をベースに試算してみると、(医師が一日に診察できる患者数は入院で16名、外来は40名ですので、平成26年度当初予算ベースの一日一人当たり単価で比較しますと、)医師1名の医業収益は、外来は入院の6割弱にとどまりますので、市立根室病院のおかれている状況からすれば、収益増は他の類似病院よりはかなり、難しい環境にあります。
【再質問】
診療体制の充実により、単価アップは可能ということであるが、標準医師数等から見てもそんな簡単にはいかないのではないか?ちなみに、平成26年4月の医師数、短期出張医師も含め、常勤換算に置き換えた場合何名か?
【答弁】
・平成26年4月の常勤換算医師数は、19.3996名。
【意見として】
二次救急医療を担うための体制として常勤医師体制20名が必要とうことですが、現状の体制も常勤換算ベースで約20名であり、また、4月の入院・外来患者数を元に必要医師数を積算してみますと、概算数値でわりますが19.5175名と現状の体制としてはマックスに近い診療を行っている状況であり、先生方への過剰な期待には問題がりますので、ご答弁の様な単価アップは厳しいものと考えます。
【質問要旨その3】
③ 固定費の推移に対する認識と課題について
・新病院移転後、固定経費が大幅にアップしていると思うが、旧病院と新病院の通年比較における増要因と課題について市長の見解を伺う。
【市長答弁】
・平成25年1月の新病院開院後、外来受付方法の変更や院内警備・清掃等に伴う委託業務の増加のほか、施設の維持費や医療機器等の整備・更新に係る保守料など、旧病院と比較し、2億円を超える費用増加となった。
・新病院建設に伴い病院改築や医療機器購入に係る企業債の元金償還が発生することから、 これらの償還期間については、さらに費用が増高する。
・今後、収支バランスの悪化や一般会計繰入金の増加が見込まれる。
・中長期的な経費の見直しを図るとともに、病院全体としてコスト削減に努め、固定費の圧縮に取り組む。
【再質問】
固定費の推移について伺いましたのは、経営悪化の要因は医業収益以上に費用、特に固定費が大幅にアップしたものと予算書等から読み取りましたので、お考えを伺ったものです。 平成23年度(旧病院)と平成26年度(新病院)を比較した場合、固定費全体で見た場合、どの程度乖離があるのか?改めて、伺いたい。
※市長答弁以上の回答なし。
※参考まで 平成23年度決算と平成26年度予算を比較すると 職員給与費で2億6千6百万円、施設維持管理費、委託費、使用料及び借上料等の経費で2億6千7百万円等4億8千6百万円固定費が増、加えて、企業債の元金償還(1億7千6百万円)もはじまりましたので、6億円超える差が生じています。
※固定費の圧縮は難しい?
平成26年6月定例月議会一般質問(病院問題)
平成26年6月定例月議会一般質問その1
(1)これまでの取り組みに対する評価について
平成26年6月定例月議会一般質問その2
(2)現状の経営状況に対する認識について
平成26年6月定例月議会一般質問その3
(3)損益分岐点の推移からみた経営状況について
平成26年6月定例月議会一般質問その4
(4)新会計制度への移行により新たに発生する不良債務への対応について
(5)一般会計繰出金に対する考え方と市民への情報提供のあり方
平成26年6月定例月議会一般質問その5
(6)医師及び看護師等医療スタッフ配置方針と招へい・募集対策について
(7)医療情報システムの更新について
(8)経営形態の見直し作業の進捗状況と今後の見通しについ
平成26年6月定例月議会一般質問その6
(9)実行可能な経営改革プランの策定の必要性について
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