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2012年10月22日 (月)

平成24年第3回定例会一般質問(病院経営等)

遅くなりましたが、9月議会の一般質問の質疑内容を順次報告いたします。

まずは、当初、組織機構の問題のみを質問予定していた病院経営の問題についてまとめてみました。

議会前に、提出議案の説明があるのですが、その段階ではじめて新病院建設事業費約4億円の増額補正案が示されました。

その説明内容を精査して、次の様な疑問を感じ、大幅な補正予算、今年度の収支見通しの考え方を質問項目に追加しました。

・将来負担の軽減のため事業費の圧縮に努めるとしていた事業、何故この時期に4億円もの補正が必要になったのか?

・4億円もの補正でありながら、何故、収支見通しを示すことができないのか?(ほぼ、事業規模は確定しているはず)

・病院事業会計の経営悪化=一般会計による補てんであり、その将来見通しを明らかにすべき。

・今年度の医業収益の決算見込みに用いた統計学的分析手法は乱暴では?

・11/22の竣工から来年1月29日までの開院まで時間がない中で、システム導入作業は間に合うのか?

・6月補正予算で議論したばかりの情報システム予算でありながら、3か月後に5千万もの追加補正はなんなのか?

・開院まで限られた時間、様々な作業が輻輳するはず。現行体制で大丈夫なのか?その様な中で経営改革も同時に進めることは難しいのではないか?

・優先順位を決め取り組まなければならないのでは?等々

※細かい点については、補正予算審査の中で議論することとして質問内容を整理しました。

以下は議場での質疑内容です。

3.新病院への移転を踏まえた市立根室病院の組織機構並びに病院経営について

(1)組織機構の改編に関する考え方について
 
【質問要旨】

 新病院に向け「医療安全部」を設ける提案をしているが、どのような機能を想定しているのか。また、新病院を見据えた組織機構についてどのように考えているのか伺いたい。

【答弁】

◎医療安全部について

・院内の医療事故の防止と医療の安全確保を目的に、新たに「医療安全部」を新設
・医療事故防止や医療事故発生時の対応、院内感染症防止などを担う「医療安全推進室」を医療安全部に設置
・職員の配置としては、部長には副院長を、室長には医療安全管理者の資格を有する看護師を専従で配置する
・医療事故防止対策規程の見直しをはじめ、事故発生時における関係書類の状況確認や保全、再発防止策の策定、院内感染拡大防止に向けた指導などが主な業務
・新病院の開院に向けて安全管理体制の強化を図りたい。

◎新病院を見据えた組織機構

・市民が期待する医療、看護を目指して看護職員の人材育成を図るため、看護部に「教育指導課」を設置
・地域センター病院として地域医療連携を推進するため「地域医療連携室」を設置する
・新病院建設基本計画に基づき本年10月より組織機構の見直しを実施
・病院の組織機構の見直しについては、従来から「病院機構改革構想」に基づき順次進めている
・今後とも院内調整を図りながら医療技術部のさらなる再編を進める
・医療ソーシャルワーカーの配置による医療相談体制の充実なども努める
・引き続き、体制の充実強化を図りたい。

(2)新病院建設に係る設計変更及び事業費の拡大について

【質問要旨】


 このたびの設計変更に伴い、建築工事等で約3億4千7百万円、医療情報システム及び備品購入費等で約7千3百万円、計約4億円の事業費の増額が示された。
 事業費については、これまで可能な限り抑制に努めるとしていたが、今回の設計変更及び事業費の増額について、どの様に捉えれば良いのか考えを伺う。

【答 弁】

・このたびの事業費の変更については、
 医療機器の機種決定に伴う機械設備等の変更で3千百60万円
 災害時における病院機能の維持確保のための設備の追加で1億1千3百70万円、
 外構工事等来年度実施予定事業の前倒しで6千1百万円など、
 総額で約3億5千万円
・本年度年割予定額24億7千4百61万円に対し約1億3百万円が不足。
・昨年10月から、施工段階における詳細図面を用いて院内で医師並びに医療技術者等との最終的な協議を実施
・その中では、東日本大震災の影響もあり、無停電装置の増設や医療ガス設備の追加など、電気設備を中心とした災害時の機能維持の必要性が強く指摘された
・市立根室病院は、平成9年度より災害拠点病院の指定を受けている
・東日本大震災を受け、国は、災害拠点病院や災害医療体制のあり方などについて、昨年10月には電気や水などのライフラインの機能維持の必要性を指摘する報告書を取りまとめた
・災害拠点病院としての機能確保は、自治体病院としての重要な役割の一つ
・国が取りまとめた報告書も踏まえ、事業の実施を判断
・災害時における傷病者受入れ拠点施設として病院機能の整備に努めたい

【再質問その1】

 設計変更に伴う最終的な新病院建設事業費や後年時負担を明確にするためにも、病院事業会計収支、一般会計繰出金の見通しを示すべきではないか。

【答 弁】


・新病院開院後に要する費用増加として、施設設備及び機器更新による償還費や償却費、これに附随する管理費、更には、施設機能の拡大による維持費などがある一方、新病院機能の向上による患者回帰など、一定程度の収益増加の勘案も要するものと考えている。

・従って、一般会計繰入金の在り方を含め、新たな視点による収支見通しの把握が必要と考えることから、総合的な見地と検証の下、これらに取り組みたい

【再質問その2】

医療用・事務用備品、医療情報システムの事業費が拡大したことについての理由は何か。

【答 弁】

・医療用及び事務用備品については、
・これまで想定していた、診療用消耗備品及び消耗備品に代わるものとして、新病院関連予算の集約化に伴い3条予算から4条予算に組替する補正措置を講ずるもの
・災害時対応備品への選定変更や、診療機能の拡充に伴う仕様変更などから、3千3百4万2千円の増額とするもの
・医療機器に関する事業費については、これまでどおり、起債対象事業として、12億1千5百万円とするもの

◎医療情報システムについては、
・放射線・内視鏡・検体系医療機器の機種選定過程の中で、これに付随する部門システムの仕様変更により、4千万増額するもの
・一部、分離発注等による経費圧縮を図っている

(3)平成24年度上期の診療実績を踏まえた経営見通しについて

【質問要旨】

 先に示された、平成24年度市立根室病院事業会計経営状況では、医業収益を、統計学的分析手法を用いた推計により、その見通しを現計予算値にて推移するとしているが、4月から6月までの診療実績が大きく落ち込む中、本年度上期の診療実績を踏まえ、また、過去の患者動向を踏まえた分析をすべきと考えるが、市長の見解を伺う。

【答 弁】

・病院事業会計の経営状況については、昨年6月の「市議会市立根室病院建設等に関する特別委員会」解散時の附帯意見等を踏まえ、定例会開会ごとに事前に、議会に対して示している
・経営の根幹を担う医業収益については、直近の患者動向はもとより、これらに直結する診療体制の在り方など、様々な状況を踏まえ、必要な場合において、時点修正を加えている
・今回、示した、医業収益の推計は、年度始動期である第1四半期の終了直後であることから、通年推計に必要な数値的要素が乏しい点などを踏まえ、補完するツールとして、統計学的分析手法を用いた
・これに、これまでの患者数の低迷や、以後の医師確保に伴う診療体制の充実といった、実態的要素を加味し、総合的な見地と検証の下、推計
・今後も、医業収益については、数値的要素と実態的要素を基礎としながら、様々な分析手法を用いて的確な見通し把握に努める

【再質問その3】

 統計学的分析手法を根拠として、現計予算値が確保できるという答弁であるが、何故、この様な過大な見込値をもって、経営見通しといえるのか? 決算段階では大きなかい離がでるのでは?

【答 弁】
・医業収益の推計については、数値的要素と実態的要素を基礎とするものであり、これらの要素が乏しい場合の補完ツールの一つとして統計学的手法を取り入れた
・今後、様々な分析手法を用いるなど、その幅を広げることにより、的確な経営見通しの把握に努めたい
・なお、今後の医業収益に関する取り扱いについては、時の患者動向や診療体制の在り方など、総合的な見地と検証の下、必要に応じて、時点修正を加えたい

(4)新病院への移転を踏まえた病院経営の優先課題について

【質問要旨】


 新病院の竣工と開院が迫り、待ったなしの作業が続く中、全ての課題に対して取り組むことは不可能であると考えるが、新病院への移転を踏まえた病院経営として、現時点で、どの様な目標を設定し、何を優先課題として取り組むのか、市長の見解を伺う。

【答 弁】

◎ハード面の整備に合わせて
・新病院の竣工と開院に向けた、主な取り組みとして、現在、最終段階を迎えた建設工事の進捗に合わせて、診療機能の要となる医療機器等購入に伴う指名競争入札の執行が開始されたところ
・竣工後においては、院内スタッフを中心とした、新施設内における患者等の導線確認作業や動作訓練の実施
・更には、最終的な移転準備及び作業へと段階的な取り組みを予定している

◎ソフト面の充実が、優先すべき課題として
・病院経営に資する医療の質や安全を確保し、患者へのサービス向上を図ることが重要
・新病院開院後における、更なる取り組みとして、
  医師招へいと診療体制の充実、
  職員の接遇改善、
  院内組織体制の強化など
 きめ細かなサービスの提供に鋭意務めたい
・新病院開院を目前に控え、基本理念である「市民に愛され、そして信頼される病院」を目指し、病院職員一丸となって取り組む

コメント

根室病院の産婦人科医が長期休暇中ですが、復帰の予定はあるのですか?(当初3ヶ月の予定でしたが、半年近くなります)

1.その休暇期間は報酬は支払われているのですか?
2.復帰する予定はあるのですか?
3.普通の企業ですと傷病休暇はありますが、医師と言う立場ですので解雇当はしないのですか?また、高齢のため、今後の医師としての従事に支障があるのではないですか?
4.派遣医で済まされていますが、他に医師の招聘などは行っていないのですか?(分娩を取り扱う場合は2名以上必要ですので、この医師が着任後も招聘活動をしているのでしょうか?)
5.新病院には立派な産婦人科病棟が出来ましたが、現状を見ると産婦人科病棟は閉鎖し、他の病棟にまわした方が有意義ではないですか?)

全く問題にされていない方が問題に感じますが

一市民様 コメント有難うございます。

議員として受けた報告や議会での質疑の範囲でお答えします。


>根室病院の産婦人科医が長期休暇中ですが、復帰の予定はあるのですか?(当初3ヶ月の予定でしたが、半年近くなります)

議会に対する説明でも当初3か月というお話でしたが、その後、治療に時間を要しており12月の復帰に向け療養を続けていると説明を受けています。(正確な復帰日はまだ説明はありません。)


>1.その休暇期間は報酬は支払われているのですか?

市の支給基準に基づき支払われています。


>2.復帰する予定はあるのですか?

復帰に向け、ご準備をされているそうです。


>3.普通の企業ですと傷病休暇はありますが、医師と言う立場ですので解雇当はしないのですか?また、高齢のため、今後の医師としての従事に支障があるのではないですか?

市長、病院長が判断されることと考えます。医師招へいについては、私も、何度と質問しておりますが、大変、難しく、厳しい状況が続いておりますので、赴任いただける医師と市長、院長がご相談をされ、都度、判断されているはずです。


>4.派遣医で済まされていますが、他に医師の招聘などは行っていないのですか?(分娩を取り扱う場合は2名以上必要ですので、この医師が着任後も招聘活動をしているのでしょうか?)

市長は議会答弁の中で、分娩再開に向けた医師招へい対策として、産婦人科医師2名体制を目指して取り組んでいると述べております。
担当部署からもその様に説明を受けています。


>5.新病院には立派な産婦人科病棟が出来ましたが、現状を見ると産婦人科病棟は閉鎖し、他の病棟にまわした方が有意義ではないですか?)

一般病床131床、感染症病床4床、観察室10床の運用については、これから様々な論議が必要になるものと私は考えております。

一般質問でも、高齢化、地域事情を見据え、新病院オープンと同時並行的に今後の病院機能について検討が必要であると述べています。

病床の利用については、時々の状況により医師と看護部が相談しながらベッドコントロールをされていくと思います。

新病院は、個室の割合が相当増えましたし、これまで問題であった2二人部屋を重篤患者や感染症対策のため1人部屋として扱うこともなくなりますので、ベッドコントロールもしやすくなと思います。

今年度上期の一日平均入院患者数 89.9人 昨年一年間の平均 91.8人 で病床利用率としては 70%前後です。
 
新病院オープン後の患者動向がどうなるか現時点では見えませんが、入院、外来患者数は医師数により目安がありますので、現行体制では、これ以上、入院患者数を増やすことは先生方のオーバーワークに繋がりますので難しいと思います。

※病院の基本構想、基本計画については、改選前の議会で既に承認されたものです。その中で必要とされたものをベースに整備が進んできたのが現状です。

※医療療養病床の問題も患者様のアメニティ環境の問題も何度と意見は述べましたが、過去のブログを読んでいただければ分ると思いますが、残念ながら取り上げられることはありませんでした。


>全く問題にされていない方が問題に感じますが

医師しょうへ対策については、大変重要な問題と位置づけ、これまでも何度も取り上げてきておりますし、産婦人科医師不在による救急搬送の状況や市外分娩の実態、病院・消防・保健師等の緊急時の連携等についても問題視してきました。

今決算委員会でも確認の質問をしました。

市民が待ち望む分娩再開には産婦人科医師招へい、助産師の体制整備、加えて、小児科との連携等々、大変、厳しいハードルがあるわけです。

そうした中で進められている医師招へい対策に私たちが直接的に参画できない中、非常にデリケートな問題でもあり、議員としての発言には、細心の注意が必要と考えております。

病院の診療体制や経営については、大変重要な問題と認識しておりますので、今後とも、ご意見等いただければ幸いですし、直接、お話させていただいてかまいません。

まとまりのない返信ですみませんが、コメントに対するご返答とさせていただきます。

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