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2010年4月25日 (日)

病床数の問題について

病院建設の問題ですが、3/1に「病院建設等に関する特別委員会」が開催されてから約2カ月何ら進展がありません。3月議会の一般質問や予算審査特別委員会での議論はあったと言っても特別委員会で審議事項として残されていた3つの積み残し課題については、昨年の7月以降審議されないままここに至っています。

原因は、市が積み残し課題に関する方針をまとめることができていないためです。

議会の雰囲気としては、
・議会の役割は基本構想・計画の承認までであり、昨年の7月に基本的な役割は終えている。
・積み残し課題については、市から考えが示されればその内容に意見を述べる程度。
・病床数等についても承認済み事項であり、この点についての審議はしない。(変更がない限り)
・診療機能面なども後戻りの議論はしない。
・新病院建設のための財源確保も進んでおり、22年度中の着工が条件である耐震化交付金の交付条件もあることから、病院建設は、市から示されたスケジュール、市長の決意の下進めるべき。
等々の考えが大勢を占めています。

実施設計予算についても議会が3月議会で承認していますので、実質的には、積み残し課題に係わらず“現状計画の病院建設推進”を議会が認めたことになりますので、起債申請を国・道が許可すれば、現行計画のまま進むことになります。

その様な状況ですのでいろいろ述べることには若干抵抗感があるのですが、考えられる問題等を整理しておくことは、重要ですので、今後、幾つかの項目について、私の考えを述べることにしました。

今日は、既に、決定事項となっている中で気になっている「病床数の問題」について少し考えを述べたいと思います。

新病院は、現在の許可病床199床を49床返上して、150床の一般病床にする計画です。

昨年、北海道の起債担当部署を訪問した際に、病床数の問題や不採算地域病院としての交付税措置の活用などアドバイスを頂いていますので、起債の申請段階で、道、国から、現行の患者動向や建設費の抑制等の観点から病床数の更なる削減の指導があるかもしれません。

病床数の削減による地域医療・介護への影響等について我々市民もしっかりと認識・整理をしておく必要が有ると思います。

市内の病床数は、一般病床(市立病院)199床(53休床)、精神科病床(江村精神科内科、共立病院)216床、老健(セラピーこざくら)70床、特別養護老人ホーム(はまなす園)50床、グループホーム18床及び健常者も利用できる施設ですが養護老人ホーム(隣保院)150床、介護付き有料老人ホーム(勢和)40床です。

1004251

この資料は、2回・3回活動報告会で利用したものです。(精神科のベット数を225から216床に修正しています)

ここで判ることは、現在、市内には医療療養型の病床が無いということです。

新たな病床の申請には道の許可が必要になりますが、医療圏毎に必要な病床数(基準病床数)が北海道保健医療福祉計画に位置付けられており、現状、根室市を含む第2次医療圏は、オーバーベット地域となっているため、新たな病床申請は難しいものと考えます。

市は、この条件を「新病院建設から医療療養病床を切り離す」理由の一つとしました。

しかし、現在許可されている一般病床の一部を療養病床へ切り替えることは可能とされていますので、市立病院の病棟を療養病床に切り替えることで、医療療養病床を設けることは可能です。

ただし、平成18年の診療報酬改定で、療養病床の診療報酬が大きく引き下げられ、患者の介助のレベルが低ければ、報酬が更に低くなるような設定となったため、療養病床の経営は難しくなっていますので経営面から考えれば、単純に療養病床を市立病院に設けるという判断は厳しいもの考えます。

市内唯一の療養病床であった隣保院も18年度の診療報酬改定による経営悪化を理由に75床の療養型病床を閉鎖しています。

新病院は、急性期150床でスタートしますので、医療療養病床への転換可能病床数は、新病院になる段階で49床が失われます。

12月議会の私の質問に対する市長答弁では、「高齢者の医療・介護の状況を見極めながら将来的に医療療養型への転換も視野に入れた構造として新病院建設を進める」ということですので、150床の中での検討の可能性だけは残ります。

3月議会では、特別養護老人ホームや老健施設の増床計画をもって当面は地域に不足する療養病床の問題ついてはカバーするという方針が示めされましたが、想定している増床数では、平成18年度末に返上された隣保院の療養病床数を下回り、現在の介護施設入所待ち患者の解消にしかなりませんし、また、医療型療養病床と介護型療養病床では保険制度も役目も違いますのでこの対応だけでは不十分です。

本来であれば、市が高齢者の医療施設利用に関する将来推計を行い、急性期、亜急性期、回復期、慢性期の医療・介護(家庭も含め)の役割等の方向性を示し、それぞれに必要な病床数の整備目標を定める等「地域医療・福祉・介護に関する計画」を策定し、その計画と整合性をもった新病院の病床数でなければならないものと考えます。

しかしながら、冒頭述べました通り、議会の大勢としては、市長が3月議会で示した病院建設に対する方針があるわけであり、療養病床の問題は昨年7月の段階で新病院建設から切り離すという決定をしているという考えですので、今後、療養病床の問題を病院建設等の特別委員会で論議することは難しいと思います。

現在、不足する医療療養病床をカバーしているのは216床ある精神科病床です。根室市の高齢化は、間違いなくまだまだ進みますので、医療から介護まで地域全体で必要とする療養環境の将来見通しに基づく「病床編成」を整理しておく事は非常に重要です。

今後、医療療養病床が必要になった時に、その可能性が唯一残っている市立病院の病床を削減されてしまっていれば、現行制度の下では、新たに療養病床を設けることができないということを、我々、市民が自覚して置かなければならないと思います。

今、市と道の間で起債申請の手続きが進められていると思いますが、現行プランニングでは、市立病院は急性期医療を担う一般病床150床という考えですので、急性期の患者数、病院の経営状況の推計の如何によっては、病院規模の縮小、病床数の削減の検討もあり得るのかもしれません。

計画が縮小されれば、その分、将来的な療養病床として区分変更できるベットの可能性は更に減ることになります。地域としての方針・方向性を整理する作業が遅れている中で、計画優先で前に進み続けることは、いろいろな意味で今後の地域課題を複雑にしてしまうものと考えます。

場当たり的な対応ではだめだと思います。後で、「こんなはずではなかった」と言ってもそれでは後の祭り。

・療養患者の実態把握はできているのか。
・現行の高齢者福祉・介護保険制度の下で、各施設の入所者の実態に問題はないのか。
・根室市内に医療療養病床を持たないとすれば、その患者をどの様に地域として診て行くのか。
・市立病院と市内医療機関、介護施設との連携の在り方に問題はないのか。
・行政と民間の役割分担についての整理ができているのか。
・新病院150床の病床利用計画はどうなっているのか。

等々についての整理が急務であると考えますが、これらを確認すべきであるはずの「療養病床に関する積み残し課題」に踏み込めないことが、私は不本意であり、また、心配事でもあります。

コメント

市内の老人医療の状況がわかりやすく表にまとめられ、病院建て替え問題の三論点の一つである療養病床の問題が手際よく解説されています。
わたしのブログでもトラックバックさせていただきました。
本田さんが書きにくいところは少しだけ補足しておきました。

一人でも多くの市民がこの問題に関心を持ってほしいと願っています。
本田さんのブログを見て、根室の老人医療の将来に危機感をもつ市民が増えることを期待しています。

本田さん、がんばってください。
役立たずの市議が多い中、あなたが頼りなんです。

ebisuさん いつもコメント有難うございます。

>本田さんが書きにくいところは少しだけ補足しておきました。

恐れ入ります(^^;

>一人でも多くの市民がこの問題に関心を持ってほしいと願っています。

我がまちの一大事ですので皆でしっかり考えていかなければならないと思います。
市民が一つになること、長年の課題である病院問題を一緒に考える大事な機会だと思っています。

今日の病院建設等に関する特別委員会の記録をまとめました。想定内とは言え急展開です..

結果、療養病床の件は非常に厳しい状況となります。

根室市民さん コメント有難うございます。

頑張ります。

そして、このまちの為に病院問題、議会改革等々様々な課題について一緒に取り組んで下さい。

よろしくお願いいたします。

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