文書質問について No.3
根室市議会基本条例第11条第1項の規定に基づき、3月25日付けで文書質問を提出しました。(3件目です。)
※文章質問ですので、質問内容及び市長答弁をそのまま報告します。
※平成28年度当初予算審査で明らかになった内容を文書質問で確認したものです。
【件名及び質問の趣旨】
件名:
土地開発基金の繰替運用及び下水道事業会計への一般会計支出金繰延処理に対する会計処理のあり方について
質問の趣旨
平成28年3月定例月議会における平成28年度一般会計当初予算の審査において、平成27年度に措置された土地開発基金の繰替運用による一般会計から下水道事業会計への長期貸付金10億円の返済を受けた後の一般会計から土地開発基金への繰り戻しがされていない会計処理の在り方について質疑をさせていただきました。
ご答弁では、一般会計から土地開発基金への繰り戻しの方法については、検討中であり、今後、明らかにするということでしたが、これは、一般会計が基金より10億円の借金をして平成28年度予算編成を行ったことになるものと判断します。その処理方法が決定されないなかで、予算編成が行われていることは、財政運営・財政規律上不適切であると考えます。
また、下水道事業会計においては、平成27年度末に一般会計へ長期借入金10億円を返済していますが、一般会計が平成26年度末における下水道事業会計への繰延処理に伴う繰入不足額約15億円の内、9億7千万円を平成27年度予算において一括繰入措置をしており、それが長期貸付金の返済財源となっています。
平成27年度末において下水道事業会計への繰入不足額は約5億円であり、下水道事業会計に対しても約5億円の借金が残っています。
平成28年度予算における下水道事業会計への一般会計繰入額から判断すると、繰入基準に基づく約8千万円の繰入金を除くと、繰延解消は5千万円程度であり、下水道事業会計に対し、繰延不足額に対する解消計画も不透明(明らかにされていない。)であり、平成28年度予算編成において、一般会計は、15億円近い資金不足の解消がなされていない会計処理であると言わざるを得ません。
以上のことから判断すると、一般会計自体としては、約15億円の借金に対して、何ら処置がされていない、出来ていない状況であり、この不適切、不透明な会計処理を早急に是正する必要があるものと考えます。
そこで、次の点につい市長のお考えを伺います。
1.土地開発基金からの繰替運用10億円について、今後、どの様な会計処理をされるのか。
2.下水道事業会計への繰入不足額(繰延処理に伴う)について、今後、どの様な会計処理をされるのか。
3.財政調整基金の残額も標準財政規模の5%を割るような状況であり、財政運営は非常に危険な状況でありレットゾーンと言わざるを得ない、この現況の中で、15億円近い資金不足が生じている実態についての説明責任をどの様に考えられているのか。
以上が質問です。
文書質問に添付して提出した現況の会計処理状況のイメージ図
4月12日付けで、長谷川市長から答弁書が送付され、田塚議長から答弁書を受け取りました。(4/13には全議員に写しが配布されております。※議会ホームページでも公開されます。)
以下が文書質問答弁内容です。
文書質問答弁書
根室市議会基本条例第11条第1項の規定に基づく創新 本田俊治議員の文言質問について、同条第3項に基づき、下記のとおり答弁いたします。
【件名及び答弁内容】
件名:
土地開発基金の繰替運用及び下水道事業会計への一般会計支出金繰延処理に対する会計処理のあり方について
1.土地開発基金からの繰替運用10億円について、今後、どの様な会計処理をされるのか。
【答弁】
土地開発基金からの繰替運用については、国の三位一体改革に対する財源対策として実施した、下水道会計支出金の繰延べにより生じた不良債務を解消するため、平成19年度、下水道事業会計に貸付けした10億円の財源としたところであります。
この下水道会計貸付金については、平成27年度末をもって一括償還されておりますが、土地開発基金への積戻しにあたっては、全額一般財源での対応となることから、短期的な解消は困難であると判断しております。
なお、今後におきましては、防災・減災対策や少子化対策などの見通しも勘案した中で、土地開発基金条例施行規則に基づき、20年間(うち据置5年)で償還していくこととしておりますが、土地開発基金の額については、条例上2千万円と規定されていることなどから、元金償還に先駆けて、適正規模に係る研究・検討を進めていく考えであります。
2.下水道事業会計への繰入不足額(繰延処理に伴う)について、今後、どの様な会計処理をされるのか。
【答弁】
下水道会計支出金の繰延べについては、前述のとおり、国の三位一体改革に対応する一般会計の財源対策として、公的資金の借換え等と併せて実施したところであります。
また、その残高は、15億円を超える額となっていたところでありますが、平成27年度に10億円を解消したことなどから、現在は、約5億円となっているとともに、平成28年度においても、約5千万円を解消する見込みであります。
今後におきましても、一般会計の財政状況を考慮いたしますと、長期的なスパンで対応せざるを得ない状況でありますことから、引き続き、下水道会計との協議に基づき、向こう10年程度を目途として、解消を図って参りたいと考えております。
3.財政調整基金の残額も標準財政規模の5%を割るような状況であり、財政運営は非常に危険な状況でありレッドゾーンと言わざるを得ない、この現況の中で、15億円近い資金不足が生じている実態についての説明責任をどの様に考えられているのか。
【答弁】
これまでも申し上げてきたとおり、当市の財政状況は、市内経済情勢の長期低迷や人口減少などにより、市税及び地方交付税の増が見込めない一方、少子高齢化の進行による社会保障関係費の増をはじめ、防災・減災対策や、公共施設の老朽化に伴う負担増などが見込まれる状況にあります。
このような状況を踏まえつつ、第9期総合計画の実行性を、より確実なものとするため、行財政改革プランの着実な推進に取り組むとともに、毎年度策定している「財政収支試算」に基づき、中長期的な展望に立った、投資的経費の効率的な配分等に努めるほか、平成28年度予算編成にあたってば、固定経費である、経常歳出の重点的な見直し等に取り組んだところであります。
なお、財政調整基金等の、いわゆる「市の貯金」については、平成28年度末残高は約13億円になる見込みであるとともに、平成32年度までの「財政収支試算表」でも、お示ししているとおり、今後においても、一定程度の「貯金」を保有しながら、財政運営にあたっていく考えでありますが、引き続き、様々な機会を通じて、財政状況の周知に努めて参ります。
以上が市長答弁です。
この問題については、6月定例月議会にむけて担当部署とも意見交換をしながら、更に精査したと思います。
以上
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