テノール・リサイタルとEast Point Jazz Orchestraの文化奨励賞受賞
10/10 文化会館小ホールでテノール歌手のリサイタルがありました。
歌った小笠原一規さんは根室生まれ。根室高校の音楽教諭であったお父さんの転勤で3歳の時に帯広へ移っていますので、本人も根室の記憶はほとんどないと言っていました。(コンサートの中で)
一規さんは高校生時代の1997年、当時根室市音楽協会が中心となり続けていた道内でも珍しい声楽セミナー「ノサップ音楽セミナー」を受講し、その後、声楽家をめざし音楽大学へ、イタリア留学も経て、声楽家としての道を歩みはじめています。
昨年、PMFのシンガーオーディションに合格してオペラ「ラ・ボエーム」の主役を演じました。
10/2 帯広で一規さんのテノールリサタルが開催され、同じステージを根室でもということになり、30年前お父さんの小笠原規雄氏にお世話になった市民吹奏楽団や音楽協会のメンバーで実行委員会を組織し、10日のリサイタルを実現しました。
翌11日には、私も所属しているEast Point Jazz Orchestraの根室市文化奨励賞決定の発表がありました。
昨年の夏から1年間の長期企画としてEast Point Jazz Orchestraの結成30周年イベントを続けてきましたが、特に、8月末の30周年記念コンサートからここ一月ぐらいの音楽とのかかわりの中で、何度も故飯田三郎氏や故若松敏前音楽協会会長(義父)と取り組んでいた10数年程前までの様々な活動を思い出し、音楽文化を育ててゆくためには、将来を見据えそのベクトルを信じて前へ前へと進むエネルギーを持った人々の行動が重要であること、その輪を広げる活動が必要であることを、何度となく感じております。
根室には、故飯田三郎氏が残して下さった曲がたくさんあります。その中でも昭和43年の初演から歌い続けている交響組曲「北国讃歌」は特別な曲です。
毎年11月の第2週か3週目の土曜日、根室市内のクラシック関係者が一つになってこの交響組曲を歌い上げます。
この曲で市内の音楽団体が繋がっているといっても過言ではないと思います。ジャズバンドのEast Point Jazz Orchestraもここから生まれたバンドです。10代から50代までのメンバーで活動を続けていますが、その活動の原点は、若松敏氏の音楽に対する情熱と人の輪を大切にし音楽を育てようとしたハートです。
長い目で焦らず続けること。人間関係を大切にすること。その思いを持ち続けること。何よりも自分自身が楽しむこと。等々たくさん学びました。そんな思いでEast Point Jazz Orchestraは活動を続けています。
北国讃歌の最終楽章のテノールソロを歌い続けてきたのが中山英一氏。彼が歌う「イヨマンテの夜」を聴き、彼のためにと飯田先生が書かれたのが終楽章「讃歌」のテノールソロ。プロの声楽家でも音がひっくり返ってしまう高音、このパートを歌う後継者としても小笠原一規さんには期待をしたいと思います。
East Point Jazz Orchestraもそろそろ後継者育成プログラムにチャレンジしてもらいたいと思っています。
私も飯田三郎氏や若松敏氏から学んだ経験を生かし、微力ではありますが、仲間と共に、新たな思いで、音楽文化とかかわっていきたいと思っております。
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