2010ビザなし交流日本側訪問団第一陣出発!
今年も北方四島在住ロシア人とのビザなし交流がはじまりました。
日本側訪問団の第一陣が5/14午前9:30国後島へ向け根室港から出港。藤原前根室市長を訪問団長に61名の団員が3泊4日の日程で国後島を訪問します。
今年、最初の事業ということで、港には、多くの関係者市民が見送りに集まりました。
対話集会がロシア側に拒否されたり、出発直前になり外務省から同行記者団に対する動画撮影取材の自粛要請がだされたり等不安を抱えての出港となりましたが、ビザなし交流の趣旨、目的に沿った交流が行われることを期待します。
訪問団員を代表して藤原前根室市長が挨拶。
一回目の訪問団ということで殆どのテレビ局が取材をしていました。
今年も「たんぽぽ」のメンバーとして10月まで港に通います!
今回のノービザ交流に何点か疑問が有ります。国後島に入港するのにロシアに対して入港税を払ったとか道新やマスコミが書いていますが、もしロシアに対して支払ったの有れば事実上北方四島はロシアの支配下と認めた事になりませんかね。国後島ではロシア人との交流会では領土問題について意見交換は無いと聞いていますが、そんな状態ではまともな交流じゃ無いですよね。そこまで、日本がコケにされてまで卑屈な状況でも税金使ってまでやる必要があるかとても疑問に写ります。
もう一回原点に戻って北方領土問題を考えていかなければならない時期かと思ってますが、
それと、日本政府の対応がきちんとしてないのがとても不安です。政治的なポリシーとか
思想が見えないのが混迷を深めていると感じられますが、ロシアに対して行き当たりばったりの
対応していたらロシアから完全になめられますね。これから、どんどん要求がきつくなって来ますね。
本田さんはどう思いますか。
投稿: hamacyan2sei | 2010年5月15日 (土) 23:07
hamacyan2sei さん コメント有難うございます。
非常に難しい問題ですので、的を得た回答は難しいと思いますが、現時点の私の考えを述べたいと思います。
はじめてにビザなし交流の必要性についてですが、
昨年の出入国カードの提出の問題や人道支援の中止、そして今年の入港税、同行記者にロシア外務省発行の記者証取得問題、北方領土問題に間する対話集会の拒否の問題等々ロシアの強硬姿勢を感じます。
記者証取得の問題回避のための外務省からの“動画撮影や独自取材の自粛”要請や四島側の交流窓口・クリール日本センターの入港税の立替払い(事実関係は?)、そして、今回上陸時のロシア運輸省の入港申請書へのチャーター船船長の署名と提出等ことしの事業がはじまるこの時期で国の事前調査不足や対応の遅さも感じます。
好調なロシア経済の下、クリル開発計画による国家的支援やギドロストロイ社を中心に島の経済発展が進み、在住ロシア人の意識が変わってきていることは避けられない事実です。
先日のNHKの独自スクープのとおり、ビザなし交流で親日家と思っていた色丹島在住のロシア人も「ソビエト崩壊と大地震からの復興には日本の支援により支えられて来たが、今は、プーチンが島の生活を守ってくれている。」とインタビューに答え、日本への返還を望まない考えを述べる様な現状です。
ビザなし交流は、相互交流を深め北方領土問題の解決の促進を図ることが目的です。
相互理解を深める活動は重要であり、事業を通じ、今、この時点の相互の考えを理解しあうことは必要だと思いますし、私は、ビザなし交流を継続すべきであると思います。
しかし、交流事業の在り方についても形骸化も指摘されているわけですし、また、日本もロシアも18年前とは社会・経済情勢も変わってきているわけですから訪問・受入双方の交流事業メニューも、そうした背景のもと、見直しも必要と思います。
ビザなし交流は誰でも参加できる事業ではありませんので、今回の問題も地域の問題として扱われてしまう可能性も高いのではないでしょうか。
領土問題は国家間の問題で国が解決しなければならない問題ですが、国を動かすのは国民の声、世論です。返還要求運動原点のまちとして粘り強く取り組むことで、世論を喚起する役目は担う事ができると思います。
その意味において、返還要求運動原点のまち根室市が事業メニューの見直しなどについても率先して取り組んでいかなければならないものと考えます。
島に行くだけが交流事業ではありませんので、根室に滞在される在住ロシア人訪問団の方々と市民の交流の機会を増やして行く活動も必要と思っています。この様な活動であれば多くの市民が参加できるのではないでしょうか。
次に、国の北方領土問題に対する取組姿勢についてですが、
国の四島返還実現のための基本的方針は、「北方四島の帰属問題を解決しロシア連邦との間で平和条約を締結」、このような立場に基づき強い意思をもってロシア連邦政府と交渉を継続するというものです。
昨年の「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」の改正において「北方領土が我が国固有の領土である」旨が明記されたことに対しロシア側が非難・反発しましたが、法律への明記の有無に関わらず、「北方四島は日本の固有の領土」であることは、過去も、今も、そしてこれからも、国は、毅然とした態度で主張すべきことだと思います。
国家戦略として「固有の領土であるという事実」を改めて法改正し明記する意図があった思いますし、その事によるロシア側の反応も当然想定のうえと思います。今回の様な問題についても、既に問題視されてい事項であったり、想定され得る事項ですので、交流がはじまる前に解決なり整理をしておくべきことであったと思います。
記者証や対話集会の問題も交渉事であり、相手のある事をそう簡単に解決を図ることは難しいと思いますが、その交渉事に取り組む姿勢なり態度を国民に明らかにする作業は必要であると思います。
投稿: 本田 | 2010年5月16日 (日) 17:32