新病院建設事業予算案審議における私の判断
10/29 第三回定例会の反省を踏まえ、予算案に賛成した理由などを書きました。
ブログにコメントが寄せられましたので、お返事を書きましたが、非常に重要な内容なのでブログ本文にも同じ内容を載せたいと思います。
コメントはお二人からですが、重く受け止め、今後の議員活動に活かしていきたいと思います。
※図表や青色部分は新たにこの本文で追加しました。
以下、コメントの内容です。
この様に受け止められる方々が沢山いると思っていましたし、私自身、何日も考えた上での判断です。
当然、私一人が反対しても結論は変わりませんが反対を貫くべきだったのかもしれません。
たしかに、これまで言い続けてきましたとおり、長谷川市長の強引な手法(ご本人は強引ではないと言っておりますが)、建設費圧縮の問題や病院事業会計の収支見通し、繰出金、そして、医師招へい対策の問題等々何も詳細な説明もなく、解決されていないわけですから反対の立場をとるという選択もありました。
しかし、私は、病院建設はいまこのチャンスを逃すことなく実現しなければならないと考えました。
条件付きとは言え22億円の交付金が付いた事業。交付金を要望した病院は市立病院だけではないでしょうし、耐震化交付金の裏補助である、まちづくり交付金は北海道のご配慮があり確定したものです。
このことで、希望がかなわず様々な事業実施に影響を受けている市町村が沢山あると思います。
ここで、事業に反対し事業計画を止めてしまう事は、北海道や国との信頼関係をも否定することになります。
旭川医科大学を中心とする体制に切り替える大事業や平成19年のあの危機的な医師不足解消の際も、北海道のご支援があって切り抜けてこれたわけです。私は国や北海道との信頼関係も重要なポイントと考えます。
長谷川市長の新病院建設事業を進めるこれまでのやり方に関しては、今も、正しい手法とは思っていません。今議会の一般質問、予算審査特別委員会でもこの点については私を応援して下さった市民の皆様の代表として、その旨を発言しましたし、これからも、その気持ちに変わりはありません。
しかし、起債の申請手続き等を含め、国や北海道が市立病院の改築申請のチェックを行っておりますし、申請が受理されたことも事実ですので、それらを踏まえた判断をすべきと考えました。
議会での発言は大変重たいものと考えております。(市長のみならず、予算審査特別委員会で答弁された管理職の方々、そして私自身も)
収支見通しが示されなかったことについては、今も納得している訳ではありませんが、改革プランが55億3千万円の建設資金やその償還を含めた計画であること、併せて、一般計画の体力等についても予算審査特別委員会で確認しました。
起債償還額についても、7億4千万円を加えた借入見込み総額38億6千万円の年次別償還額を私が自分で計算し、その額を述べ答弁で確認するというあり得ない手法も採りました。
※38億6千万円を24年度に借入したという想定で計算
※建物本体は、30年償還(5年据え置きの元利均等償還 年利2.1%)
※医療機器等は、公営企業債5年償還(1年据え置き 年利3.0%)
過疎債12年償還(3年据え置き 年利3.0%)
※交付税算入 公営企業債 22.5% 過疎債 70%
今年度の患者動向の見込み改革プランの乖離についても同様です。その影響額が一般会計でカバーできるのかについても、想定される数値を私の方から述べ(約15億円前後)、確認をするという手法をとりました。
※収支均衡分、医師確保対策分及びH22年度の不安要素部分が問題。
※医師招へい対策次第ですが、目標の15名以上の体制となったH21,H22(上半期)も目標の患者数、収益も達成できていませんので、経営改善が急務の解決すべき課題です。
※医師確保対策経費が根室市の特殊事情と言えますが、この事は、根室市のみならず地域医療が抱える問題であり、医療制度改正、医師派遣対策、財源対策等国に対して地方の現状を訴え、各種改革のための要請等も必要な部分です。
※公営企業会計ですので、できる限り一般会計からの繰り入れを抑えるための自助努力、経営改善に取り組む必要があります。不安要素分、収支均衡分の解消が目標になると考えます。
医師招へい対策によっては、現行の計画が更に悪化することも確認しました。医師招へい計画の年次別目標も示すよう要請しました。
色々な噂が飛び交っていますが、医師招へいは非常にデリケートな問題ですので、議員として無責任な発言はできませんし、些細な発言や医師との応対一つで交渉事が崩れてしまいますので、医師招へい対策については、長谷川市長、東浦院長にお任せするしかないものと考えています。(結果については、正しく伝えていただかなければなりませんが...)
※市民と先生方とのコミュニケーションの場を小さなグループ、個人でもかまいません、どんどん作りましょう!
※医師招へい対策もH18,H19年度の様にまちぐるみで取り組む必要があると考えます。
また、起債申請は年度毎の申請ですし、22億円の交付金も年度毎の事業費にあわせて交付されますので、全て、申請時の約束事を守ることが原則です。医師招へい対策も条件の一つですので着実に実績を上げていかなければならないことです。
その事が守られなければ、起債許可や交付金の交付決定がストップする可能性もあります。
態度表明の際に言いました通り、今一番の問題は病院の経営状況と考えています。収支の改善がなければ、一般会計の繰出しが増えます。この事があっても体力的に一般会計が持つという説明を受けていますが、一般会計総予算の1割近い繰出しを病院事業会計に続けることは、市全体の投資的な事業、ソフト事業へも当然影響がでてきます。
議員としてチェック機能は引き続き発揮しなければなりませんし、その事を皆さんにお伝えする責任があると考えています。
圧縮に努めると議会答弁を続けたが圧縮できていない建設費そのものも大きな問題ですが、橋本議員の質問に対して、公立病院の建設単価としては、決して高くはないとう説明を議場でしていますし、起債申請等でも当然建設費はチェック対象です。患者家族のアメニティーに関する部分が取りやめになったのも、北海道の指導であるという説明が予算審査や市長答弁でもありました。
1平方メートル単価30万円、1床当たり単価29,700千円という説明でした。(私のメモ)
国立病院機構の単価 1平方メートル25万円から30万円、1床当たり単価20,000千円とのこと。市立病院の場合、外来比率が一般的な公立病院の3倍くらいですから、外来の占める面積率がおおくなりますので、病床数での割り返しでは単価が上がるものと想定しました。(私の判断)
こういった点も、近年新築された医療機関との対比等口頭の説明だけではなく、具体的な資料の提示が私は必要だと思っていますが...
様々、説明不足であり、行政運営にとって一番大切な、市民への情報開示不足は否めないところであり、「市民と協働のまちづくり」を目指すとう長谷川市長の言葉と行動の違いも我々市民が声を出して指摘しなければならないことと感じております。
この度の議会中の私の気持ちを率直に述べさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
「協働のまちづくり」とは、どういったことをいうのか
長谷川市長は市民の気持ちどころか、日本語もよくわからないようです。
私は、このような方が市の首長という座についているのが誇れないし、非常に恥ずかしくも思えます。
無投票で再選となったのは、市の未来にとって致命的な傷でしょう。
市議に本田さんがいることがせめてもの救いです。
決断にとても苦しんだことがブログから伝わってきます。
どうか正しいと思えることを貫き通して、がんばってください。
応援する市民はたくさんいますから。
投稿: 支持者 | 2010年11月 3日 (水) 11:51
支持者さん コメント有難うございます。
> 市議に本田さんがいることがせめてもの救いです。
> 決断にとても苦しんだことがブログから伝わってきます。
> どうか正しいと思えることを貫き通して、がんばってください。
有難うございます。
議会、議員の役割を考えさせられる日々が続いています。
議会に提出される議案については、活発な議論を行いその結果に基づく判断が必要ですが、現状は...
議会は行政、首長のチェック機能を果たさなければなりませんので、全て市長の考えに賛成である必用はないと思っています。
政策全てが満点ということはないわけですから、様々な角度からチェックをして、その精度を上げる作業が議会の役割だと思います。その意味で、市長の政治姿勢について意見を述べることもあっていいと思います。
意見=批判ではないと思っていますが、否定的な意見は批判と受け止められるのが現状です。
今は、反対=野党、市長批判と考える方がほとんどではないでしょうか?
市民参加の議会づくりを進めて行くためには、民意を反映する議会であり、首長と対峙する議会である必要があります。市長の追認機関ではありませんので、案件によってはNOと言える議会でなければならないと考えます。
まだまだ時間はかかると思いますが、頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 本田 | 2010年11月 4日 (木) 09:13
普通は完璧な政策などないでしょうから、執行側が気付いていない問題点を指摘することで、たとえ引きかえさないで進むとしてもその問題でつまずく危険は格段に低くなります。
おこるのではないかと心配していることは普通は起こりません。起こるのは全く予想していなかったことです。大抵は。
ですから問題点を指摘する人は、ある意味本当の味方です。
一番困る人は問題を知っていながら「大丈夫いけるいける」と言って穴に落ち込んだ後に自分も後押ししていたことを忘れて落ちた人を責める人です。
ですから本田市議は市長と市民の味方だと思います。
自分を責めたりしないようにしてください。
投稿: km | 2010年11月 4日 (木) 11:13
『市民参加の議会づくりを進めて行くためには、民意を反映する議会であり、首長と対峙する議会である必要があります。
市長の追認機関ではありませんので、案件によってはNOと言える議会でなければならないと考えます。』
全くそのとおりだと思います!!
この市の人々は、健全な議論を避けたがる傾向にあるようです。
市議会においても、貴方や一部議員を除いて、「市議は何のために存在するのか?」と思えてしまうほど仕事や役割がなされていない。
問題点の指摘を「批判」と受け止めるのは、旧体質から抜け出せない人々が多い証拠です。
そういった人たちの中で議員活動をするのは、たいそう骨が折れると思いますが、貴方の活動を評価している人はたくさんいますので、これからもがんばってほしいです。
市長は、問題指摘に対して、誠意を持って市議や市民に答える義務があると思います。
私には、このごろの市長の言動には不信感をおぼえるばかりです。
Kmさんのコメントに『一番困る人は問題を知っていながら「大丈夫いけるいける」と言って穴に落ち込んだ後に自分も後押ししていたことを忘れて落ちた人を責める人です。』とあるように、市長の背後にそういった人たちがいると、市長もかわいそうな人だという気もしますが。
投稿: ブログ読者 | 2010年11月 4日 (木) 13:24
Kmさん、ブログ読者さん コメント有難うございます。
昨日、札幌から戻りました。さすがに7時間一人で運転するのは無謀でした。まだまだ大丈夫と思い運転しましたが、家に着いたらぐったりでした。気力と体力のバランスが徐々にずれ始めているようです(笑)&^^;
>『一番困る人は問題を知っていながら「大丈夫いけるいける」と言って穴に落ち込んだ後に自分も後押ししていたことを忘れて落ちた人を責める人です。』
そんな人にならないよう誠実に努力したいと思っております。
ブログ本文にそんな気持ちを書きたいと思います。
投稿: 本田 | 2010年11月 7日 (日) 11:14